セナの冒険
「セナ、走れ!」
カズキは私の手を掴み走り出す。
ガタンッ!!
「きゃあ!!」
「「「セナ!!」」」
再び船が大きく揺れ、傾いた拍子に思いっきりコケてしまった。
「大丈夫か!?」
「う、うん!」
よろけながらも、カズキの手を借りながら立ち上がる。
「カズキ!!セナをよこせ!」
「わかった!」
「えっ!?」
カズキが私を持ち上げた…と思ったら、次の瞬間私は空中にいた。
「お、お、お、落ちるってえ!!」
「大丈夫だ」
想像したハズの衝撃はなく、硬く閉じていた目を開け上を向くと、ロイドの顔があった。
よ、よかった…
船から落ちるかと思った…
と、安堵のため息をついた瞬間、また船が大きく揺れる。
「カズキ!!」
よろめく体をロイドに支えられながら、さっきまでいた甲板に目を移すと、カズキが揺れに耐え切れず転がりそうになっていた。