セナの冒険
「セナぁ……俺が予想するに妖精界だと思うんだけど」
カズキが唸るように話す。
「…あああ!!」
よ、妖精界…!
そうだ、そういえばあの本!
すっかり頭から抜け落ちてた!
「…どうして妖精界?」
首を傾げるサーシャに本の事を説明すると、なんだかサーシャの目が輝いてきた。
「ほ…本当?その話……!私、小さい頃から妖精に会ってみたかったのよね…!!」
すっかり鼻息が荒くなり、興奮状態。
普段の冷静なサーシャからは考えられないよね〜!
このギャップが可愛い。
「おいおい…」
――ガタタタ…ガタン!!
ゴオオッ!!
ロイドが興奮するサーシャを宥めようとした瞬間、今までにないぐらい船内が揺れ、全員が転がった。
咄嗟にロイドが庇ってくれたから、私には外傷はなかったけど…。