セナの冒険
「ちょ、ちょっとロイド…その鳥たち、俺にくれよ」
カズキはロイドの両肩に停まるティーノとティロルを抱き抱え、少しあったまったご様子。
「じゃ、皆にバリア張るね」
サーシャはそう言うと両手を広げ光を上に放つ。
すると、黄緑色の優しい光が、一人一人を包み込み、身体に馴染む様に消えていった。
「バリアにも色んな種類があるけど、これには何の効果があるんだ?」
「防寒対策、よ」
アイクが尋ねると、サーシャはニッコリと答えた。
色んな種類があるんだ…。
「私はサポート系ぐらいしか役に立てないから、守備なら任せて」
「頼りにしてるぜ、サーシャ!」
カズキがサーシャの頭をくしゃくしゃと撫でると、少しサーシャの顔は赤くなった …気がした。
「…で……何処に向かうの?」
私が誰にともなく質問すると、カズキとロイド、アイクはお城を指差した。
「あそこに決まってるだろ?」
「あそこに決まってんだろ!」
「あそこ以外にないよな」
「…ハモってるし」
サーシャは何とも言えない様な表情で、ただお城を見つめている。
とりあえず、少し暖まった私達は、例の立派なお城に向けて歩きだした。