セナの冒険
全員が一斉に、開いた門に目を向けた。
ゆっくりと片方の扉が開き終えると、そこには12〜13歳ぐらいと思える、綺麗な少年が立っていた。
「お待ちしておりました。長老が貴女方をお待ちになられております。どうぞ中へ」
少年は私の顔をジッと見ながら淡々と喋ると、頭を下げ足を一歩引いた。
…なんて無表情…。
どんな無愛想で顔に出さない様な人間でも、何かしら表情から読み取れるものはあるはずなのに、この少年からは何も感じられない。
違和感…。
感情がないのかな…。
ありがとう、と言いながら門を潜り、少年の背中をチラッと見ると、絵本の通り綺麗な羽が付いている。