セナの冒険
「うわ、ちょっ、閉めんなよ!」
その声に後ろを向くと、私とサーシャが門をくぐり抜け、カズキ達が入ろうとした瞬間、少年は門の扉を閉めようとしていた。
「ちょ…ちょっと、何してるの!?まだ入ろうとしてるじゃん!」
「え?何の事ですか?」
「何の事って…そこの挟まってる男のことだよ!」
「何処にも見えませんけど」
「そんなはずないでしょ…?」
少年は本当に見えてない様子。
…ホントに見えてないの?
そんなことってある…?
少年が扉を閉める手を停止させてる間に、3人は門の中へ入る事が出来た。
「どうなってんだあ?俺達が見えないって!」
カズキは少年の目の前まで行き手を振るが、何の反応も示さない。
「…本当に見えてないんじゃねーか?」
「…その様子だな」
「意味わかんね〜!」
ロイド、アイク、カズキは口々に言うが、どの声にも反応することはない。
声まで聞こえないんだ…