セナの冒険
「よくわかりませんが、とりあえず早く行きましょう」
少年は扉を閉めると、私達を城内へと促した。
「なあ…。長老が待ってるって言ってたよな?」
カズキが言った。
「あ…うん、言ってた!今向かってるんだよね」
「…絵本に書いてあった、『聖なる力』って――宝玉のことだよな?」
「それしかないよね…?」
「長老ってのは宝玉を待ってんのか?」
「……じゃないの?」
「そうかぁ。やっぱりお婆さんなのかな〜!?」
「長老だからそうじゃない?…ってゆーかそこ!?どうでもよくない!?」
まったく、カズキってほんと人とずれてる…。
てか、これ少年には
私が独り言言ってるように
聞こえてるのかな…?
――ちょっと悲しいかも。