セナの冒険
「…あなた達以外に、今ここに人間はいますか?」
美女…いや、美女は私とサーシャを見ながら言った。
「は、はい。3人……やっぱりあなたも見えないんですか?」
「気配は感じますが…見えません」
「何で…見えないんですか?さっきの少年も…」
「…永い間、私達妖精は人間との関わりを断ってきました。大昔、女神様達に妖精界を造って頂く前――人間と同じ世界で共存していたときは普通に見えていたのですが、関わりを持たない今、魔力のオーラが違うせいで、人間は私達妖精の目に、認識されないようになってしまったのです」
…え?
待て待て待て!
そんないきなりいっぱい言われてもわかんないよ…。
「ま、待って下さい!あの、妖精界が出来る前のことはわかりました。でも、オーラって?」
「人間も妖精も、相手の事は、まず魔力のオーラで感知し、目で認識しています。人間は私達妖精族よりも、オーラが空気に馴染みやすく、溶け込んでしまうせいで、反対に周りに溶け込みにくい妖精族には、感知しづらいのです。永い間妖精族だけで暮らして来たせいで、人間のオーラを感知する力が薄れてしまった――そう言う事なのですが、難しかったでしょうか?」