セナの冒険
「…なんとなくわかりました。つまり、関わりを持たない間に人間を感知?する能力が、退化したってことですよね?」
「ええ、そうです」
隣を見ると、皆納得した表情。
…カズキだけはちんぷんかんぷんって感じだけど。
私はまた疑問に思った事を口にした。
「じゃあなんで私とサーシャは見えるんですか?」
視界の端で、サーシャがピクッと動いた気がした。
「あなたにはなんの魔力も感じませんが、聖なる力は人間でも妖精でもない、異様なオーラを発しているので見えます。――もう一人のあなた、サーシャは妖精族の血を引いているからです」
長老はサーシャに顔を向けた。
「そうだったんですか………って、え!?」
サーシャが妖精族の血を!?
勢いよくサーシャに目を移すと、驚いた顔をして長老を見ていた。
「サーシャ、まじかよ!?」
カズキは目を真ん丸くして驚いてる。
「妖精族の血を?どういう事だ?」
ロイドは納得のいかないといった表情で腕を組む。
「なるほどね。だから回復魔法に長けていたのか」
アイクはよくわからないことを呟きながら、頷いていた。