セナの冒険
私の言動を不思議に思ったのか、長老は私を見た。
「す、すみません。ちょっとこの男がうるさくて……」
「男?――ああ、今そこにいる人間は男性なのですね」
…あっ!そうじゃん!
妖精には人間の声も聞こえないっぽいし、私は何もする必要なかったじゃん!
カズキはあっかんべーをしながら、小声で「ばーか」と言ってくる。
…言い返せないわ……
私、端から見たら変人だよね…
とほほ…
「――あの……妖精族の血を引いてるって事は、やっぱり寿命も長いんですか?」
サーシャは長老に尋ねた。
「いいえ。あなたの遠い御先祖が妖精であるだけであって、大分妖精族の血も薄まっているのでそんな事は無いはずです」
「よかった…」
サーシャはなぜか、ホッとした顔をした。
「なに?妖精って寿命長いの?」
「妖精族の平均寿命は、500歳なのよ」
サーシャは答えた。
「そうなんだ!――って、え?ご…ご、500歳!!?」