セナの冒険
「………なんだか懐かしく思いました。見覚えがあるような…」
サーシャは少し間を空けて答えた。
「そうでしょう。それこそが妖精の血です。恐らくあなたのご先祖は一度ここへ来た事があるのでしょう。何代前のご先祖かはわかりませんが、妖精族は血とともに少しばかりの記憶を受け継ぐのです」
「そうなんですか…」
城へ来るまでの道のりでサーシャの様子がおかしかったのは、その記憶に戸惑ってたからかな…
「あなたは治癒能力が高いでしょう?それも妖精族の血筋です。私達妖精族は大昔人間と共存していた頃、魔物から負わされた怪我や、病を治す役目を担っていましたから」
「へえ…! そういえば妖精族は、綺麗な所じゃないと生きて行けないから、ヴィクトリアを出て妖精界に来たんですよね?」
私は長老に尋ねた。