セナの冒険
――みんな戦ってるのに、私は見てるだけ……
なんて無力なんだろう…。
でも…宝玉の力を借りれば……。
「つーか、魔物達全然減らなくね!?ザコだからまだ良いけど、疲れてきたぞ!」
「キリがない!」
カズキとアイクの声が聞こえた。
…………私も、皆と一緒に戦いたい…!
ううん、戦う!
私は皆の所へと走り出した。
「ねえ!!私も戦う!!」
「セナ!?」
全員がほぼ同時に振り向いた。
…と思ったら、ロイドが叫びながら走り出す。
「――あぶねぇセナ!」
「え?」
ドサッと地面に叩きつけられた衝撃が身体に走り、気付くと私の上にロイドが覆い被さっていた。
「……え?ロイド?何…!?」
ロイドは起き上がり、訳が分からず困惑する私に怒鳴った。
「馬鹿野郎!!何で来たんだよ!!」
「え…」
「お前は魔力がねぇから戦えねーだろ!?危ねぇだろうが!!俺達にとっちゃ大した事ない怪我でも、お前にとっちゃ致命傷だって有り得るんだぞ!!」
「…!!」
こんなに怒鳴るロイドを…
初めて見た。
心配してくれてるんだよね……
わかるよ。すごい伝わってくる。