セナの冒険
恐竜……
絶対倒さなくちゃ……!
「さー攻撃再開…うわっ!?」
いきなり恐竜の尻尾が頭目掛けて振られ、カズキは危機一発でかわした。
「セナ大丈夫か!?」
「う…うん、大丈夫!」
カズキがぎりぎりのところで、私の頭を押さえてくれたから。
「…何か、いきなり攻撃してくるようになったな」
確かに…
さっきまで全然攻撃してこなかったのに、なんで?
ふと腕輪を見ると、宝玉がうっすら光っている。
……さっきまでは光ってなかったのに。
「――あ…!」
もしかして…
恐竜が狂暴になったのって、何かこれに関係あるの…!?
「よっしゃ……行くぞ恐竜!!」
カズキは腰の鞘から剣を引き抜き、バチバチと電気を纏いながら恐竜に向かって走って行く。
何度も恐竜を切り付けるけど、あまり効いてない様子。
アイクもこっちまで聞こえる程、大きな音で空を切る風の鎌で切り付けるけど効いてない。
「うわああああ!!やめろって、バカ、恐竜!!」
振り回される尻尾に、必死にしがみついてるカズキ。
…こんなときでも普段の調子で能天気に見えるのって、私だけ?