セナの冒険
「――あの魔物を倒せるかどうかは、あなたの想いにかかってますよ」
「え!?」
いつの間にか、隣に長老が立っていた。
長老は私より背が高いので、私を見下ろす形になる。
「お…想いって?」
「聖なる力は、大きな想いに反応します。力に頼ろうとしたのに、反応してくれない……そういうときは、まだ想いが足りないのです」
反応してくれない……
想いが足りない……
さっきの私だ。
「……想いって、どういう…」
「何でも良いのです。自分が助かりたい、死にたくない、人を助けたい、守りたい……強く願えば、必ず反応してくれます」
「でも、じゃあさっきは足りなかったんですよね……反応してくれませんでした」
「それはまだ想いが足りませんね」
「…………今なら、反応してくれるでしょうか……」
「…まだ少し、足りませんね。宝玉の光が小さすぎます。あなたの想いはそんなものですか」
……私の想いはこんなもの?
………そんなはずないよ……
私は皆が大好きだし、出来るなら守りたいって思う。
後ろを振り返って、横たわるロイドと看病するサーシャを見た。