セナの冒険
「ロイド、私が治すからね…」
気を失っているロイドに、懸命に治癒の光を当てるサーシャ。
もう一度前方を見れば、恐竜を倒そうと息を切らしながらも攻撃を続けるカズキとアイク。
「くっそお!!もう俺ら死ぬ運命なんじゃね!?ダメだろこれ!!」
「馬鹿言うなカズキ!協力すれば倒せる!」
「そうかあ!?アイク、ほんとにそう思ってる!?」
「ああ!……ってことにしといてくれ!」
「ズコーッ!ダメじゃん!!ぶへははは…ぅわっ!!おいマジやめろって糞恐竜!!」
コントかよ、と思う様な会話をしながらそれでも諦めず駆け回ってる。
――やっぱり、私は皆が大好きだよ…
このまま、もし誰か一人でも死んでしまったとしたら…
私は一生、自分の無力さを恨み、嘆き悲しむだろう。
そんなの、絶対嫌。
皆が命を張って、一生懸命に闘ってる。
私だって、皆と同じ様に自分の体は自分で守れるぐらい、前線で命張って闘いたい。
でもそれには、力が必要なんだよ。
私が例えどんなに努力して、どんなに身体を鍛えたとしても、絶対に手に入れられない力…。
それがないと、あんな化け物みたいな敵なんて倒せない。
力が欲しい。
―――だから……
「…とても光が強まりましたね。安心しました、聖なる力の例え仮の持ち主でも、仲間想いの人で」
聖なる力、私に力を貸して…―――