セナの冒険
コンコン…
「入りますね」
サーシャは扉をノックし、音を立てながらゆっくりと重い扉を開いた。
サーシャに続き部屋に入ると、部屋の景色は私がいた部屋と同じ事に気付いた。
違うのは、ベッドに寝ているのは私じゃなくロイドだと言うことと、ロイドの側に老人がいること。
…老人?
誰だろう…?
と思ったけど、そんなことよりまず先にロイドの顔が見たくて、ロイドの元へ駆け寄った。
「…ロイド……」
相変わらず整った顔で、寝息を立てながら眠っているロイド。
そっと頬を撫でると温かくて、生きてることを実感し、ホッとした。
でも…ロイドをこんなふうにしたのは私だと思うと、やりきれない思いや後悔の念が襲って来る。
「ロイド……ごめんね………守ってくれて、ありがとう…」
ロイドの大きな掌を強く握る。
それもまたいつもの温もりで、嬉しくて視界が涙で滲み始めたとき、側にいた老人が口を開いた。