セナの冒険




「――と言う訳ですので…。少しの間休憩も兼ねてここでゆっくりしていってください。では、私はこれで」



長老はペコリとお辞儀をしてから部屋を出て行った。



ほんと、礼儀正しい人…。



「一週間、俺何してよっかな〜。修行でもすっかな〜!?」



カズキが大きな独り言を呟く。



ところで…
ずっと気にかかってたことがひとつある。



「あの…おじいさん」



「なんじゃ?」



「おじいさん、ロイドの側にいてくれてたみたいですけど、お医者さんですか?」



「ごもっとも!妖精界で一番の名医じゃ!!」



…なんだかんだすごいよね、この人。



「ロイドはあとどのくらいで目がさめるかわかりますか?」



「グホ……ん〜…そうじゃの…」



笑いかけてたおじいさんは私の質問に笑うのを止め、二つに結んだ真っ白な髪をいじりながら考え始めた。



髪いじりって、女の子か。



少し間が空いたあと、おじいさんはポンッと手を叩き



「ま、明日ぐらいには起きるんじゃない?若いからの」



若いっていいの〜、と豪快に笑う。



「わしが言うことはだいたい当たるから、きっと起きるよ。大丈夫だいじょ〜ぶ!心配しなさんな!!いざとなればわしがいるぞ!!グホホホ!!」



…なんてテキトーな……

あんな深い傷を負ったのに、ホントに明日目が覚めるの…?









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