セナの冒険
ゆっくりと扉が開き顔を出したのは、長老ではなく――確かチトと呼ばれてた――あの門を開けてくれた少年が立っていた。
「皆さん、お食事の用意が出来ましたので、広間に集まって下さい」
「わかったわ。ありがとう、チトくん」
抑揚がなく淡々と喋るチトくんにサーシャが微笑みながら言うと、ペコッと頭を下げすぐに出ていってしまった。
「あ〜!!ハラ減った!!チトの作るメシ、激ウマなんだよな〜!!セナも寝てばっかで腹減ってるだろ!?早く来いよ!!」
「あっ!ちょ…」
カズキはサーシャの手を掴むと、さっさと部屋から出て行った。
「わしも行くかの。今日のメニューはなんじゃろな〜!?グホホホ!」
…なんか
言われた途端、お腹が空いてきた気が…
……こうゆう展開、前にもあったな。
あのときはガイズさんが作ってくれたスープを食べてはいたけど、お腹空かした私にロイドがご飯を作ってくれたんだっけ…。
クルッとロイドに向き直り、寝ているロイドのほっぺをつねってみる。
「…プッ!」
思わず吹き出してしまった。
だってさ…
こんなマヌケ面、普段見れないもん!
携帯があれば写メって、起きたとき見せたいぐらい!
ふふ…
たまにはこのぐらい大人しいロイドを眺めるのもいいかも…
「…セナ」
「!!?」
いきなり後ろから聞こえた声に、驚いて跳び上がってしまった。