セナの冒険
「な…なんだ、アイクか!先行ったと思ってたからびっくりしたよ…」
「………」
後ろを振り向くと、そこには浮かない顔をしたアイクが立っていた。
…突っ立ったまま動かない。
「…? どうしたの?」
私がそう言うと、アイクは重たそうに口を開いた。
「…ごめん」
「…は?」
何突然!?
頭の中が?でいっぱいになる。
「な、何が?」
「…実は…いくら強い攻撃でも、ロイドが一撃で倒れるなんておかしいって考えてたんだけど」
ロ、ロイドの話?
「ここ最近のこと思い返してみたら俺、ロイドに夜の見張り任せっきりだったんだ。だから……身体に疲れがたまってたのかもしれない……」
アイクは申し訳なさそうな顔をしながら、曇った空色の前髪を掻きあげる。
…あ……
「なんだ、そんなこと?」
「…え?」