セナの冒険
「知ってたよ私。でもしょうがないじゃん、アイクはもともと身体が強くないんでしょ?」
「……ああ……そうだけど……」
「じゃあ丈夫な人に任せるべきだよ。私がアイクでも同じだし…ロイドもそんなこと気にしてなかったよ。大丈夫だって!」
「そ…うか………悪いな…」
「何謝ってんの〜!大丈夫だって!意外にロイドって心広いじゃん?」
「……そうだな」
つっかかってた蟠りがとれたのか、アイクは小さくフッと笑った。
なんだかさっきまでと立場が逆になってるな。
「…お腹空いちゃった。ご飯行こう!」
「ああ」
私とアイクは食事をとるべく、ロイドが寝ている部屋を出た。
……前に、ロイドから聞いてた。
アイクは病気を持ってるんだって。
その病気になる人の90%は――20歳まで生きられない、って…
今まで治った人は見たことがないらしい。
いわゆる不治の病…
それを聞いたとき、思わず目から涙がこぼれた。
ロイドは、アイクなら大丈夫って笑って慰めてくれたけど…
アイクは、タイムリミットをわかっていながら、何を思ってるのかな…?