セナの冒険




「――わあっ!」



広間に行くと、大きなテーブルには数々の豪勢な料理。


思わず声が上がってしまった。



「ぼべーばぼぜぇぼ!」

「カズキ、食べながら喋っちゃ汚いでしょ。口のまわりも汚れてるわよ」



既にガッツリ料理を頬張っているカズキに、サーシャが口ふき用のタオルを渡す。



「ばんぶ―!」



…まあ、なんとなく言いたいことはわかるけどね。



「セナさん、どうぞお座りになって召し上がって下さい」



気付くとチトが側に来て椅子を引いてくれた。



「あ、ありがとう」



椅子に腰掛けると、お尻の下に引いてある高級そうなクッションのあまりのフカフカさに、顔を埋めたくなる衝動に駆られたけど、なんとか理性を保った。



「これ、全部チトくんが作ったの?」



「はい、そうです」



「すごく上手なんだね!好きなの?料理」



「好きというか…慣れただけというか…」



「毎日作るの?」



「はい。今この城には、僕の他にメイドなどはいませんから」



「…ふーん」



お城にメイドは付き物ってイメージだったんだけど…








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