セナの冒険
いただきます、と手を合わせ多くの料理の中からひとつ口に運んでみると、これがものすごく美味しい!!
「ロイドを超えるかも!」
「え?ロイド?」
きょとんとするチト。
「あ…」
そっか、見えないしわかんないかな?
説明しようと口を開きかけると、「あ!」とチトが声を上げた。
「今怪我を負って寝ている、男の方ですか?ヘラさんが言ってた…」
「あ!そうだよ!」
チトが言った途端、隣に座るアイクがピクッと反応した姿が視界の端に映った。
もう…
気にしなくていいって言ったのに。
「ロイド…さん?が目覚めたら、僕に言ってください。腕を振るってご馳走を作らせてもらいます」
「本当!?ありがとう!」
「セナさんが目覚めたことも早く知ってれば、もっとご馳走作れたんですけど…すみません」
「全然いいよ!!気持ちだけで嬉しいし。その分ロイドが目覚めたとき、とびっきりの作ってよ!」
「…はい!任せて下さい!」
チトは嬉しそうに笑顔を浮かべた。
この子、最初感情がないのかと思うくらい無表情でちょっと怖かったけど、笑えばやっぱり子供っぽくてかわいいじゃん。
普通の子供よりはやっぱり、表情はうすいんだけどね。