セナの冒険
ギイッ…
――えっ…!?
俯きながら扉を開け、いつも通りの風景が待っていると思い込んでいたのに…
顔を上げベッドの方を見ると、ロイドの姿がなかった。
う……うそ………!!
もしかして…起きたの!?
急いで駆け寄り、ロイドが寝てたはずの布団を触ると冷たかった。
冷たい、ってことは…起きてから時間が経ってる?
私がご飯食べてカズキのとこにいってる間に起きたの?
な…なんてタイミングの悪い!!!
そしてカズキのバカヤロー!!!
…着いてった私も馬鹿か。
ロイド…起きたなら、どこ行ったんだろう…!?
「――お?セナ?」
「!!!」
探しに行こうか、そう思ったとき――扉の方から声がした。
この声は…紛れも無く…
「久々な感じするな〜。よく寝たもんなー!スッキリしたぜ!こういう時は“おはよう”だよな?おはよう、セナ」
完璧に、ロイド。
少し掠れた声で話しながら、近付いてくる。
「おい、セナ?なんでこっち向かねぇんだよ?」
向かないんじゃなくて……
どうゆう顔して向こうか迷ってんのよ!
こういうとき、どうなの!?
感動的に泣いて喜ぶ?
心配したんだから!って怒る?
それとも逆に、おはよう、もう昼だよ!って普通を装う?
悩むとこじゃないはずなんだけど…
ど…どうしよ?