セナの冒険




「悪かったって…要するに心配してくれてたんだろ?」



「うっ…うっ……そうだよお……もしかしてもう起きないのかと思ったよ……」



私はロイドの大きな胸にしがみつく。



「ハハハ!なわけねぇだろ、泣き虫!」



「なっ泣き虫って!」



「わりいわりぃ!まあ俺がセナをおいて死ぬこたねぇよ。安心しろ」



ロイドの体温に包まれると、心底安心する。



「ロイド…」



「ん?」



「……なんでもない」



なんかよくわかんないけど、返事を聞きたかっただけ。

それだけで幸せなんだなってことに気付けた。



「なんだよ、物欲しそうな顔して。キスしてほしいのか?」



「んなっ!?んな…なわけないでしょっ!!」



「おーおー、真っ赤!」



「ちょ」



両頬に優しく手を添えられ、触れるだけのキスをする。



「…やべえ、食いてぇ」



「…えっ!?」



くっ……食いたい!?
わわわ私を!?



――グゴゴゴゴグルル……



「腹減って倒れそう…」



「……なんだ」



……そっちか。

…ん?
え、私…勘違いにも程がある!?

どーしよう!!
普通食いたいって食べ物思い浮かぶよね!?

わ…私……私は………



「ん?何お前キョロキョロしてんだ?」



「え!?いやべつに!?」



「……はは〜ん」



ロイドは私の顔をじーっと見ながら、にやっと笑った。



「さてはお前、やらしいこと考えてたな?」



「…」



…ば…ばれた……







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