セナの冒険




「ん…なわけないでしょ何言ってんのばかじゃないの」



「嘘付け!焦りまくってんじゃねぇか」



「別に焦ってないでしょ!!」



「お前がそう言っても、焦りの感情がビンビン入って来んだよ」



「……ああ」



…そうだった。
すっかり忘れてたけど、この人相手の気持ちを読み取れるんだっけ〜!!



「ったく…そんな遠慮しなくていいのによ。俺は別にいまからでも大丈夫だぜ?」



「何がよ!!」



「なにがって………言わせたいんだ?」



「……」



…誰よあんた。
そんなS発揮されても困る。



「…てゆーか起きてからどこ行ってたの?」



「おい、話変えんなよ。 とりあえず便所探し回って、見つけたのは良いけ…」



ロイドはそこまで言って、ハッとしたように言葉を止めた。

そして、一瞬で顔を赤くしながら続けた。



「あ〜…便所行ってたんだよ」



ああ!!
迷ってたの!!



「プッ…迷子だったんだ!?」



「!! う……うるせぇな!!広いんだからしょうがねーだろ!?迷子って言うな!!」



「あはははは!!う、うん、しょっ…しょうがないでちねっ…プッぶくくく…」



「…く…くそ、ここぞとばかりに馬鹿にしやがって…今に見てろよ…」



すごい屈辱だと言わんばかりにロイドは耳まで真っ赤にし、顔を背ける。



お…おもしろい…!!

この様子じゃ、寝てるとき勝手に変顔見て笑った、だなんて言ったら全身じんましんでも出しそう…(笑)


今のロイドはそんな勢いだった。





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