セナの冒険
「…最初からあんな素直だったか?」
「ふふっ。子供らしくてかわいいよね!すごくいい子だよ」
「へえ〜!うまい飯食いながら一緒に呑みてぇな…」
「チトはまだ子供!」
「んなの関係ねえって!俺はあんぐらいの頃、もうとっくに呑んでたからな」
「…」
……ゾーラさん…
お酒を与えちゃったのかしら…
「さて……ご馳走までの時間、どうすっか」
「まずはサーシャ達のとこ行かなきゃ!」
「そうだな!」
と、私達が踏み出した瞬間
バタバタバタ!
「お〜!!ロイド〜!!起きたか〜!!」
自分の雷に当たって倒れたはずのカズキが、騒がしく手を振りながら広い廊下の前方から駆け寄って来る。
その後ろからは、サーシャも小走りでこっちへ来ている。
アイクはクールに歩いているが、心なしかいつもより早歩きに見える。
「ロイド〜よかったな!!俺は嬉しいぜ!!」
手前5メートル程まで来ると、カズキは片手を上に向け、ピストルのかたちをつくった。
「3、2、1…バーーーン!!」
パンッ、パンッ、スパパパパン!!
バチバチバチッ
「!?」
カズキの声を合図に、大きな音とともに色とりどりの小さな花火がたくさん空中で弾ける。
「ロイドおめでと〜!!」
「おう…ありがとな!綺麗な花火だな。お前、よくこんな力の使い方考えたな!」
ロイドは嬉しそうに、でも少し照れてるらしく、照れ隠しをするようにカズキの頭をわしゃわしゃと撫でた。
「へへっ!スゲーだろ!?なんかさ!さっき倒れたとき、目の前がチカチカして、急に思い付いたんだよ!!あ、これ、当たってもケガしねえからな!俺すげえかも!!」
褒められたことが嬉しかったらしく、満面の笑みでカズキは言う。