セナの冒険
ーーーー…
「セナはこっちの部屋、カズキはあっちの部屋を使ってね」
サーシャはテキパキと手際よく私達に部屋を用意する。
私達は、これからの旅の進路を相談して決めるため、暫くこのサーシャ達一家が営む宿屋に泊まらせてもらうことになったのだ。
「荷物は……そっか、無いのよね。明日色々買いに行きましょう」
「え、でも悪いよ!!私達一文無しだし、タダで泊めてもらう上そんなことまで…」
「遠慮しないで?自慢じゃないけどうち、こう見えても結構儲けてるんだから。ね?」
「セナ!ここはサーシャに任せようぜ!どうせ俺達金持ってないんだし、支度整えないと出発できないし、な?」
「う…、そっか……。サーシャ、悪いけど、お言葉に甘えさせてもらうね」
サーシャはニッコリ微笑み、
「喜んで。夕食が出来たら呼ぶわね」
と言うと、一階に降りていった。