セナの冒険
「私、カズキのこと何にも考えずに引っ張り出してきちゃったし……」
「あぁなんだ、そんなことか!!昔俺のゲーム借りパクしたことかと思ったぜ!!」
そんなことかって、えー!!
重大なことだよね?これ!!
しかもゲームって……今どうでもいいでしょ!
てかそんなことあったっけ!?
「ご…ごめんね…ゲームのことも」
「いいんだよ!ゲームはもう気にしてねーし。つか、あんな繰り返しの毎日、正直つまんなくて飽きてたし、魔王退治の旅なんて超楽しそうじゃん!!!」
私の背中をバッシバッシ叩き、笑いながら続ける。
「だいたい16年間も一緒にいたくせに、一人で旅立ってたらぶん殴るとこだったぜ!!」
またもや水くせぇな、とバッシバッシ私の背中を叩き続ける。
「まあ、そう言って、くれ、るなら、よかっ、たよ」
背中を叩かれてるせいで、上手く喋れない…。
そろそろ痛いんですけど!