セナの冒険
「セナ!!!」
私の声に振り向いたカズキが伸ばす手に私の手が届く事はなく、魔物の足に捕まえられ、遠ざかって行くカズキとサーシャ、そしてスディスの森を叫びながら見る事しか出来なかった。
もうあれから、どのぐらい経ったんだろう……。
私を捉えるこの魔物は、私を食べる気なんだろうな…。
それにしても、この魔物の巣はどんだけ離れてるんだ。
こんなスピードで飛んでるのに、まだ着かないのか。
もう空が真っ暗だよ…。
しかも、超寒いよ…。
背中のマントを必死で前まで持って来て、恐る恐る下を覗くと…
「あれって……バーバラ大陸?」
たくさんの街の光がぽつぽつ見える…
きっと、いや、バーバラ大陸に違いない。
スディスの森からずっと南に向かってたから、絶対バーバラだ。
ってことは、カズキ達とかなり距離あるってことか……。