セナの冒険
ディオシプル
―――――……
「あ、目が覚めた?」
…?
誰?この女の人…
「あなた、あの娘起きたわよ!」
「おう、そうか!」
木で造られた部屋の、ドアの向こうから元気の良い男の人の声。
あの娘って……私だよね?
寝起きのせいかボーッとする頭で、記憶を辿る。
私……魔物に連れ去られて……
落とされたんだ!!
サーシャ、カズキ!
ハッと記憶が戻り、ベッドから勢い良く上半身を起こす私に、さっきの女の人が笑って言う。
「痛い所はない?あなた、どうしてあんな木の上で気絶してたの?空からでも落ちて来たの?」