セナの冒険
「テメェが誰だ、あ?人の女に手出しやがって。ぶっ殺すぞ?」
ひ、人の女…?!
その男がチャラ男の鳩尾に一発お見舞いすると、チャラ男はう、と声を漏らし呆気なく倒れた。
「お、お前は……ロ………」
「うるせぇ、寝てろ」
なんとか顔を上げ口を開くチャラ男の頭を、男は軽く殴って気絶させた。
「お前、大丈夫か?」
ぽかんとする私に近付き、手を伸ばす男。
「あ…だ、だい……」
あ、やばい。
今頃恐さで体が震えてる。
上手く喋れない………
「ったく、無理すんな」
男は両腕を伸ばし、楽々と私を持ち上げると、いわゆるお姫様抱っこ状態にした。