セナの冒険






「…ダッドの酒場?お前が?何しに?」




「えっと…ちょっと、会いに行く人がいて」




「お前みたいのがあんなゴロツキのたまり場に会いに行くのか?」




「う、うん…」




ゴロツキのたまり場なの!?
やだ…行きたくない、怖いよ…




「…誰だ?俺ちょうどあそこの常連だからな、呼んでやるぜ?」




あ、素直に助かる…

私は心の中でホッとため息をついた。




「ロイドって人……いるかな?」




私が言った瞬間、男はポカンとして足を止め、そして笑った。




…え?
何で笑うの?




「なら、あそこに用はねぇな!」




男はまだ笑いながら、進行方向を戻した。




「え?何で?呼んでよ。今日居ないってわかるの?」




男はニヤリと笑って言った。




「ロイドは俺だからだよ」










< 64 / 299 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop