セナの冒険
「…ダッドの酒場?お前が?何しに?」
「えっと…ちょっと、会いに行く人がいて」
「お前みたいのがあんなゴロツキのたまり場に会いに行くのか?」
「う、うん…」
ゴロツキのたまり場なの!?
やだ…行きたくない、怖いよ…
「…誰だ?俺ちょうどあそこの常連だからな、呼んでやるぜ?」
あ、素直に助かる…
私は心の中でホッとため息をついた。
「ロイドって人……いるかな?」
私が言った瞬間、男はポカンとして足を止め、そして笑った。
…え?
何で笑うの?
「なら、あそこに用はねぇな!」
男はまだ笑いながら、進行方向を戻した。
「え?何で?呼んでよ。今日居ないってわかるの?」
男はニヤリと笑って言った。
「ロイドは俺だからだよ」