Dear...
2:痛みなんか、分け合えないよ
傷つけられるくらいなら、
傷つけたほうがマシだと思った。
人を傷つけて、人が離れてく。
それでもいいって。
こんなあたしに、近づくほうが馬鹿なんだって。

癒されない過去の思い出に、
見たくないように蓋をした。
そっと、ゆっくりと。

新しい場所で上手くやれる。
少しずつでも癒されていくのを感じた。
君に会って、少しずつ。
時が流れて、少しずつ。

でも、それは騙し騙しの行為に過ぎなかった。

自分のしたことは正しいと思った。
だけど、誰かを傷つけた。
君は大丈夫、と笑った。
その姿に、ひどく傷ついた。

もう開くことのないその心のドアを、
こじ開けたのは誰?


癒えるはずだった傷跡の蓋を、開いたのは、誰?




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