Dear...
「・・・そもそも未来も、何でこんな子と仲良くするの!?」
言い返す希の顔にも、カコと同じく涙が溜まっていた。
「意味分かんない・・・何でこんな子なの?」
「それをあんたに答える必要はない」

それだけ言うと、未来はカコの元へ戻って、立てる?と一言だけ言った。
「ううん、足くじいちゃって・・・」
そう言うと、カコの肩を持つ未来。
「保健室、保健室行こう・・・?」
ただ頷くと、未来は優しく笑った。

「どいて」
と言うと、生徒たちがどき始める。
さっきまで何も言わなかった人たち・・・。
ただ見ているだけ。
何も言わない、助けてくれない・・・。

階段を降り、廊下を少し歩いた場所に保健室はあった。
「失礼します」
と入ると白い白衣を着た先生が居た。
「古井さん、宮島さん。・・・と?」
カコのことだろう。
「今日入ってきた転校生です」
「今野・・・加胡です」
カコが一礼すると、先生は笑った。

「そう、くじいちゃったの・・・」
「はい」
教室から歩いている最中、カコは言った。
「わたしはただつまづいただけだから」
そうとは解釈できない未来と明日香は顔を見合わせた。
「そうとは思えないけど・・・」
だけどカコは笑った。
「大丈夫だから、わたしは・・・」

椅子の上に足を乗せていると、
「じゃあ湿布貼るからね」
と言って、ヒヤッとした冷たい湿布を貼った。





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