Dear...
ひとつため息をつくと、開いていた携帯をパタン、と閉じ改札を抜けた。
混雑している電車内で、ある一人の人が目に止まった。
荷物を抱え、あきらかに席を譲ってほしそうに見える。
目の前には優先席と呼ばれるお年寄りとか、妊婦さんとかが座る席。
なのに、座っているのは男子高生。
音楽を聴きながら携帯をいじっている。
こいつら、モラルないなー。
そう思って周りを見渡せば、席を離れたくないと新聞で顔を隠すサラリーマン。
でかでかと何人分も席を取って寝ているおばさん。
どいつも、こいつも。
制服を見る限り、降りる駅はまだまだ先だ。
しょうがない・・・。
「あのー!、」
「すいません、そこ譲って貰ってあげてもいいですか?」
あたしより先に声をかけて来たのは、同じ学校ではない制服を着たあたしと同じくらいの女子高生だった。
「何?」
音楽のヘッドホンをはずし、笑いながら彼女を見る。
「あの、ここ優先席なんで、席を譲ってあげてほしいんです」
この方に、と言ってさっきのおばあさんに視線を向ける。
「いや、早く席取ったモン勝ちでしょ」
それを遠くで俯瞰しているあたし。
「でも、この方困ってるんですよ」
すると、男の中の一人が立ち上がった。
「お前うざい」
突き飛ばされそうになった瞬間、あたしが支える形になった。
「ありがとうございます・・・」
「いいえ」と笑うと、男の目の前に行く。
「何?また違う制服のコ出てきた」
げらげらと笑う。本当に不愉快だ。
混雑している電車内で、ある一人の人が目に止まった。
荷物を抱え、あきらかに席を譲ってほしそうに見える。
目の前には優先席と呼ばれるお年寄りとか、妊婦さんとかが座る席。
なのに、座っているのは男子高生。
音楽を聴きながら携帯をいじっている。
こいつら、モラルないなー。
そう思って周りを見渡せば、席を離れたくないと新聞で顔を隠すサラリーマン。
でかでかと何人分も席を取って寝ているおばさん。
どいつも、こいつも。
制服を見る限り、降りる駅はまだまだ先だ。
しょうがない・・・。
「あのー!、」
「すいません、そこ譲って貰ってあげてもいいですか?」
あたしより先に声をかけて来たのは、同じ学校ではない制服を着たあたしと同じくらいの女子高生だった。
「何?」
音楽のヘッドホンをはずし、笑いながら彼女を見る。
「あの、ここ優先席なんで、席を譲ってあげてほしいんです」
この方に、と言ってさっきのおばあさんに視線を向ける。
「いや、早く席取ったモン勝ちでしょ」
それを遠くで俯瞰しているあたし。
「でも、この方困ってるんですよ」
すると、男の中の一人が立ち上がった。
「お前うざい」
突き飛ばされそうになった瞬間、あたしが支える形になった。
「ありがとうございます・・・」
「いいえ」と笑うと、男の目の前に行く。
「何?また違う制服のコ出てきた」
げらげらと笑う。本当に不愉快だ。