初恋
その頃からもう10年経った。
『おい香澄!お前またテスト0点じゃないか!』
担任の先生は何かとあたしの世話をしてくれる。
「え〜、だるいんだも〜ん」
『昼休み職員室来い』
「ふぁ〜い」
これは毎日の会話。
香澄葵。中学2年生。
金髪にセーラー服。
バサバサメイク。
どう見ても周りからはコスプレにしか見えないだろう。
『うっわ〜葵まじで0点じゃん!』
「ん〜興味ない」
『だっせー!!』
けなしてくるこいつこそ
幼なじみの市原祥。
この学校1番の不良で、
耳には沢山のシルバーピアスに
綺麗に盛ってある明るい髪。
パンツが見えた腰パン。
こいつこそが初恋相手。
『祥、お前も0点だぞ。』
担任の先生にそう吐き捨てられた祥。
「はっ?まじ?だっせー」
『まじかよー!うけんな』
そう笑顔を見せた祥。