忘れた記憶
リビングに入ると、
すでに、弟の奏汰(かなた)がケーキを食べていた。
「姉貴、おかえり!」
「ただいま。」
そして、ケーキを切っているお母さんの所に言って聞いてみた。
「お母さん、何で翔太の事知ってたの??」
そう聞くとお母さんの手が止まった。
「っ!!望…翔太君の事も??」
「…うん。」
と、返事をすると、
泣きそうな顔で
「紗和ちゃんの事も??」
「…うん。思いだそうとすると、頭が痛くなるの…。」
お母さんは、私を優しく抱きしめて
「大丈夫。翔太君と紗和ちゃんが覚えてくれてる…それに、翔太君は望の一番大切な人…なんだよ。」