忘れた記憶
「んっ…」
…ここは…どこ??
「望さんが目を覚ましました!!奇跡ですよ!!」
と、医者らしき人が言った。

「望…グス…良かったあ…」
「望、3日間も…グス、気を失ってたんだぞ!!」

何でこの人達、泣いてるの??
「…ここどこ?」
「病院。望、気を失ってたのよ。」
と、女の人が答えた。
「車にぶつかって運ばれたんだ。」
と、男の人が言った。
え??どういう事??
私、事故にあったの??
「…私…誰??」

「望??何言ってるの??」
「あなた達は…誰??」
そう言うと、女の人が泣き崩れた。
「先生!!望は…」

「記憶喪失かもしれません。頭を強く打っているようなので…」

私が記憶喪失??
嘘…

「望!!お父さんだぞ!!分かるか??」

「…お父さん??」
「そうだ!!望のお父さんだ。」
ダメだ…思いだそうとすると、頭が痛くなる。

「…ごめんなさい。思い出せない。」
「そうか…」
「大丈夫ですよ。一時的に思い出せないだけかもしれませんし、明日には退院できますよ。」
と、先生が笑った。

< 2 / 21 >

この作品をシェア

pagetop