忘れた記憶


それを見ていた
さっきの女の子も立ち上がって
男の子の隣に来た。
「私、園田紗和。紗和って呼んでね!」

紗和は、胸まである髪を緩く巻いていて優しく笑っている。
「よろしく。望って呼んでね。」
私もつられて笑顔になる。

「あっ!!ずるい!紗和。俺も望って呼んでいい??」

「うん。もちろん。」
笑顔で答える。
「じゃ、俺は翔太で…」
と、整った顔を緩めた。

翔太がどれだけ大切な存在だったか知らずに…
私は知らないうちに、翔太を傷付けていたんだ。
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