神様の言う通り!
中庭を突っ切って向かいのA棟、事務室と隣合わせの校長室前を通り、渡り廊下に差し掛かった所で足が止まる。
止まるというよりソレは自然現象の様で、止められたと表現した方が正しいかもしれない。
ふわりと風に靡く夏空の入道雲みたいな白。
汚れのない白が花壇の前に咲いていた。
スカートの裾を人工芝に広げながら懸命に腕を動かしている人物は白い猫が爪を磨いでいる様だ。
すっぽりと顔を残して身体中を包んでいるケープは白。
円はただぼんやりと花壇を掘る人物を見ていた。暫く眺めていると
こちらの視線に気付いたのかこちらをチラリと見た(気がした)がすぐに視線を戻し、大事そうに何かを両手で包んで花壇の中に置いて土を被せた。
そしてゆっくりと胸の前で十字をきって土で汚れた指先を組み合わせ、祈りを捧げていた。
祈りを捧げる横顔はまだ少し幼さがあって、何処か懐かしい気もするのだが、頭の中にモヤがかかった感じがソレが何なのかを思い出すのを邪魔している。
なんなんだろう…コレは
昔、何処かに忘れて来てしまった感情。
クッと喉が締まり、胸が苦しい感覚。
コレはいったいなんなんだろうか…?
止まるというよりソレは自然現象の様で、止められたと表現した方が正しいかもしれない。
ふわりと風に靡く夏空の入道雲みたいな白。
汚れのない白が花壇の前に咲いていた。
スカートの裾を人工芝に広げながら懸命に腕を動かしている人物は白い猫が爪を磨いでいる様だ。
すっぽりと顔を残して身体中を包んでいるケープは白。
円はただぼんやりと花壇を掘る人物を見ていた。暫く眺めていると
こちらの視線に気付いたのかこちらをチラリと見た(気がした)がすぐに視線を戻し、大事そうに何かを両手で包んで花壇の中に置いて土を被せた。
そしてゆっくりと胸の前で十字をきって土で汚れた指先を組み合わせ、祈りを捧げていた。
祈りを捧げる横顔はまだ少し幼さがあって、何処か懐かしい気もするのだが、頭の中にモヤがかかった感じがソレが何なのかを思い出すのを邪魔している。
なんなんだろう…コレは
昔、何処かに忘れて来てしまった感情。
クッと喉が締まり、胸が苦しい感覚。
コレはいったいなんなんだろうか…?