異 常 嗜 好 。
「…嫌か?」
ちょっと真剣な目で尋ねる澪。
嫌な訳ないじゃん……。
「い、いえっ行きますっ!」
「…よかったw」
それじゃあ…と、澪が続ける。
「ここ、人通り多いさかい、
はぐれんと来れるか?」
澪の言う通り、人通りが
「多い」どころじゃない。
人の数が半端無い。
返事の無いあたしを見かねて、
澪はあたしに手を差し出した。
「手繋いだら、大丈夫?」
優しく微笑む澪。
手なんか繋いだら…
…正直やばい。
きっとこの時のあたしの顔は
林檎みたいな赤だっただろう。