【完】ヤンキー女→清楚女『逆高校デビュー』
こんな・・・幸せで怖い。
いつか、この幸せが終わってしまったら・・
怖い。
悠斗がいないと、私はもう、きっとダメだ。
「何見る?桃叶?」
涙が出ちゃいそうなのをぐっとこらえて、
「なんでもいいよ」って言った。
本当になんでもよかった。
内容なんてどうでもいい。
隣に悠斗がいてくれたら、それでいい。
それだけで、幸せなんだ。
ちょっと襟足すっきりした、悠斗の後姿。
手首に二重に巻いた茶色のブレスレット。
少し短くなった前髪は、
4月初めて向き合って座った時に見た悠斗と同じで、
ちょっと懐かしくなった。
チケットを手に、ロビーを後にして、
映画館の中へと入っていくと、
淡い光の世界が広がっていて、
悠斗の隣に座ると、悠斗が指を絡ませてきて・・
映画はコメディ映画だったんだけど、
きっとすっごく笑える映画だったんだろうけど、
ぐずぐずと、泣いてしまった。
怖かった。
幸せすぎて、怖かったんだ・・