【完】ヤンキー女→清楚女『逆高校デビュー』


ずっと小島を見ていたら、

小島の席のそばに女が立って小島が見えなくなった。


そこの女………どけっ





眼力で人間をどかせるわけないのに


ぐいぐいと黒目を動かして女を動かそうとした。


「桃叶?ちょっと…」


真理に肩を叩かれた。



「あ…ごめん…続き気になるね…」



「うん…ごめんね。
私こそ、いつも自分の話しばかりしちゃって…


ね、桃叶の彼氏ってどんな人?」



彼氏???


なぜすでにいる事になっている??



「彼氏…いないけど。。


真理は?」




「いるよ。中学一緒だったんだけど、高校は違うんだ」


そうか…真理は彼氏持ちか…。


「桃叶ってほら、しょっちゅう告白されているのに、全部断ってるって聞いたから、

彼氏いるのかな…と思って。ごめんね。


じゃあ…好きな人いるの?」




好きな人…


思わず小島を見てしまった。



もう邪魔な女はいなくて、


うっかり目が合ってしまった。


小島は「よっ」と軽く手を挙げて、


またあの優しい笑顔で笑ったんだ。



昨日のチャリの事が頭の中でよみがえって、

顔面が熱い。


耳の穴からプシュ−っと湯気が出そうだ。




私は機械のようにカクカク軽く頭を下げてから、真理を見た。




「そっか…桃叶は小島くん狙いなんだね」



真理がヒソヒソ声で言った。







< 28 / 308 >

この作品をシェア

pagetop