【完】ヤンキー女→清楚女『逆高校デビュー』
「彼女大事にしな」
私はそれだけ告げて、正也の部屋のドアを閉めた。
涙なんか一滴もでない。
私はただ、
自分とは全く違うタイプの女に取られたことが、
なんか…
敗北感でいっぱいになった。
中学一年から付き合ってきた一つ年上の正也。
私がヤンキー化したのも正也の影響。
正也はてっきり私みたいなヤンキー女が、タイプだと思い込んでいた。
全部の初めてが正也だった。
付き合うのも
キスも
エッチも
浮気される辛さも
殴られる痛みも…
自分の顔の眉毛がなくても
一日中ジャージのまんまでも
全然気にしなくなっていた。
中学3年の春休み
高校入る前に別れて
けじめがついて
よかったんだよ……
私はそう
自分に言い聞かせた。