【完】ヤンキー女→清楚女『逆高校デビュー』



薄暗くなった校舎には、人が疎らで、


たぶん書道部の部室はここなんじゃないかと、

勝手に思い込んだ校舎隅っこの狭い部屋は、

ただの教材置場だった。



校舎から一回出て、

旧校舎の方へ行った。


ぐるぐる走っても部室がわからないし、

小島もいない。




「小島…どこだよ…」





旧校舎には誰もいなくて、辺りが暗くなってしまったもんだから、


超………怖い………





戻ろう…そうだ戻ろう。



胸に抱えた小島のかばんが今1番大事に思えて、ギュッとかばんを抱きしめた。




戻るって………


どっから来たっけ…



方向音痴な自分に、今頃気づいても遅い。。。




私…学校で迷子だよ。。






ガタンガタンガタン


すごい音がした。



ガタ ガタ ガタ



だんだん近づく音。

なんか昔こんな感じの似たような事があったと、

こんな時に、昔正也に殴られた時の事を思い出した。

私は怒り狂った正也から逃げて、正也の部屋の隅に隠れていて・・

すると、がたがたと正也が壁を叩きながら、
大きな足音をさせて階段を上がってきて、


ガタンと勢いよく部屋に入ってきた。


そして私を見つけて、思いっきり


ボコボコに


殴ってきたんだ。




殴って蹴られてまた


殴って。



涙と鼻血まみれの私を笑って、

正也は出ていったんだ。







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