【完】ヤンキー女→清楚女『逆高校デビュー』
綱引きなんて、つまんなくて、
あんまり好きじゃなかったけど、
今、しゃがんで小島と一緒に綱を持っているのが、
うれしくて。
さっきまであんなに前に女がいることに
イラついて・・
いら・・ついて?
私、なんでイラついたんだろう。
これって嫉妬?
ヤキモチ?
私が・・ヤキモチ・・
パ−−−ン!!!!!
やばっ。始まった。
立ち上がって小島と一緒に綱を引っ張った。
どんどん引っ張られて、
引っ張られて・・
なんか、正也に服を掴んで引きずり回された時とかぶった。
引っ張り返しても引っ張り返しても、
引きずられて。
蹴られて
蹴られて・・
引っ張り返していた手に力が入らなくなって、手を離すと、
胸倉を掴まれて
殴られて。
前にいる真理の体や、後ろの小島の体に時々ぶつかって
足がぶつかって、
なんか怖い・・
怖い・・
綱を引っ張っている力が入らなくなって、
列から離れてしゃがみこんで顔を膝に埋めた。
殴らないで
殴らないで
もう・・やめて・・
「お願い・・殴らないで・・」
気づくと何度もつぶやいていた。
「沢渡?」