【完】ヤンキー女→清楚女『逆高校デビュー』
小島に呼ばれて、顔を上げた。
目の前に小島もしゃがんでいて、
首を傾げていた。
「大丈夫か?」
私は気づくと泣いていた。
「見学するか」
小島が優しく手を差し出した。
小島の手に自分の手をのせると、
温かくて・・
小島の温かい手にすごくホッとした。
小島は優しく手を繋いで、立ち上がらせてくれた。
そして、私がすわっていた応援席まで連れていって、
私を座らせてくれた。
小島は隣に座って、しばらく何も話さなかった。
ガランとした応援席
競技場では綱引きで盛り上がっていた。
「なんか・・ごめんね」
私は小島に謝った。
小島はふっと笑って、くりっくりのかわいい笑顔を私に見せた。
「沢渡は何も悪くないだろ」
そう言って私の頭を優しくポンポンと撫でた。
隣から覗き込まれるようにされたから、
ドキドキしてしまった。
さっきまで正也を思い出して恐怖心でいっぱいだったのに、
今は、隣にいる小島に頭を撫でられて
小島の笑顔にドキドキして
小島の声に安心して、
小島の事でいっぱいになっていた。