【完】ヤンキー女→清楚女『逆高校デビュー』
小島は
『殴らないで』と言った言葉の意味を聞いてこなかった。
2回も小島の前で言ってしまったのに。
それでも、小島は何も聞いてこなかった。
聞かれたらどうしよう・・と不安になっていたから、
聞いてこない小島にホッとしていた。
ただ隣に座って、ニコニコ笑って、
綱引きを見ていた。
綱引きが終わって、生徒達が応援席に戻り始めた。
「落ち着いたか?」
小島は立ち上がった。
「うん。ほんと・・ごめん」
私は謝った。
「謝んなって。じゃあまた後でな」
そう言って頭をまたポンポンとして、
小島は自分の席へと
降りて行った。