【完】ヤンキー女→清楚女『逆高校デビュー』
休み時間
悠斗のところに背の小さな女が立った。
おかげで私から悠斗が見えなくなった。
前にもこんなことあったな…
あの時と同じ女か?
何話してるんだろう…なんて
付き合っている男が、他の女とやっている現場を何度も見るという強烈な経験を私はしているんだから、
こんな
彼氏でもない悠斗が
他の女と話しているぐらい
な
なっ
なんともないさっ
あはははははっ…
はぁぁぁ……。。。
思いっきり嫉妬しているじゃんか。私。
あああああ−−−!!!と自分の席で頭を抱えた。
「桃叶」
優しく悠斗に呼ばれて驚いて顔をあげた。
するとさっきまで廊下側の自分の席で、ちっこい女としゃべっていた悠斗が
私の席の横に立っていた。
「どした?」
悠斗は私の顔をのぞきこんだ。
「ううん…」
「今日さ…
部活で…一枚書道展に出さなくちゃいけないんだ。
今日一日で俺、書いて終わらせるから、
今日は先に帰れよ。
明日また一緒に帰ろうな」
マジか−−−−
今日はひたすらついてない。。。
うぅ………凹む。。。
「わかった。
部活頑張ってね」
一生懸命笑顔で言ったよ。
偉いよ私。
でもやっぱ寂しい。
一緒に帰れないなんて…
寂しすぎる。
しかもなんだよ、あのちっこい女!!
「ひとりで帰るなよ。
誰かと一緒に帰れよ」
そう言って
自分の席に戻ろうとした悠斗のワイシャツを掴んで
思わず引き止めてしまった。