戯れ人共の奇談書

トレンカからまっすぐ東に位置する街<マルクス>。
自然に囲まれ、大樹の根を利用し作られた街。

モルビルを抜け、歩くこと数時間で到着したロイド達。日は傾き、マルクスの大樹が燃えたかの様な、鮮やかな夕焼け時。ユェはグールの爪や牙、摘んだ薬草を売りに市場へ向かい、置いていかれた二人は噴水広場で暇を持て余していた。


「夕陽綺麗だね」

「ただ眩しいだけじゃねぇか」

「そうやって雰囲気壊さないの」

「……夕焼けは嫌いなんだよ」

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