昆虫戦記
戻って行く
ムカデを見ながら
ワナワナと
震える4つ耳の狼。

「なぜだ・・・なぜ、ムカデが・・・・」

1匹の4つ耳の狼が
狼の長に
声をかける。

「長・・・指示をお願いします・・」

狼の長は
ハッとした顔をし
指示を出す。

「すまん・・・全陣のリーダーに告げる。各陣の衛生兵は、傷付いた者の救護に当たれ。なお、死亡した者も集落へ。全陣、集落へ集まるんだ」

すると
離れた森から
数百の狼の声が
響き渡る。

しばらくすると
衛生兵だと思われる
狼達が
傷付いた狼達を
運んでいる。

手といい足といい
血まみれに
なっており
中には
手や足が無い狼達が
うめき声を上げている。
「大丈夫か!!」
「痛み止めだ!!飲め!!」

1匹の狼が
深い傷を負っている
狼に痛み止めを
飲ませようとするが
吐き出してしまう。

また
大きな葉を
かぶせられ
運ばれてくる
者もいた。
つまり
先の戦いで
死んでいった者だ。

「父ちゃん!!帰ってくると言ったじゃないか!!」

泣きじゃくる
4つ耳の狼の子供。
そんな狼の子供に
4つ耳の狼の長が
声をかける。
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